ボン・ジュール
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ランベール甲斐 あきよ
Akiyo Lambert-Kai
 東京・熊本育ち。パリに20年余り在住。音楽教室を開いて40年、音楽療法などを取り入れて15年経ちました。
 日本では、東京杉並区でレッスンやセッションをしています。
 ライアーは、ミュンヘンにある南ドイツ・ライアー・オーケストラ、第2パート・リーダーでした。
 国立音楽大学教育科、パリ・エコール・ノルマル音楽学校の声楽演奏科を卒業。のちソルボンヌ‐パリ・デカルト第5医科大学卒業後、学会会員として認定され、フランス国家登録音楽療法士となりました。
 2021年、公認心理師合格、資格申請中。
 
 保護ネコ2匹と同居。かえるのピクルスが大好きな再×2独身⤵です。   
 納豆、バナナ、ワカメ、米粉パンが大好物。最近は、水泳にはまってカエルのように泳いでいます。
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PiaScore ライアー楽譜です。
ホームページはここから:「ライアー教室・音楽カウンセリング・宮廷ダンス」

15年ぶりのソプラノ

こんにちは。
台風がきています。。雨あり、晴れあり。。
そんな中、
私の声楽の恩師のお家で、
ミニコンサートがありました。
私は、15年ぶりに観にいきました。
先生は、70歳を超えているのに、声が全く衰えていず、
ソプラノ・レジェの軽やかな歌声に驚きました。
普通は、変声期がもう一度あるのですが、
まだまだ、その話声も歌声も、若いこと!
毎日の歯磨きのように習慣になっている
運動と練習を欠かさずにやっているのを感じました。
足腰をよく使っていて、
昔の日本人が持っていた底力を感じました。
先生は、40代後半から50歳代にかけて、
ガンの手術をしました。
身体を横にした時に、大きなぐりぐりが
指に触れた事で、病気が見つかりました。
先生が入院する時、「ちょっと旅行に行って来る。」
と私に言いました。
私は、その言葉をなんの疑いも持たずに、
先生のお出かけ用の帽子やコートを
一緒に選んだ思い出があります。
本当の事を知ったのは、先生が入院している最中で、
先生の友人ピアノ伴奏者が教えてくれたからでした。
想像していたより、長い入院生活でしたが、
ベッドサイドで、先生が私にお話したことは、
「ここでね、どう頭の使い方するかで、
生と死が分れるんだと思うのよ。
工夫っていうのはね、どうしたら楽しくなるか、
考えて楽しむ事なのよ。
命の長さで、はかるんじゃないのよ。」
という事でした。
先生は、6人部屋にいらしたのですが、
先生の周りだけ、人形やおもちゃや詩でいっぱいで、
カーテンを閉めると、小さな自分だけのお部屋になっていました。
そして、その明るいオーラは、
周りの人まで届き、優しく照らしていたようでした。
「でもね、きっと死ぬって、壁ひとつで隔てられているだけよ。
ぴょーんと壁を超えるだけなのよ。」
という言葉を聞いた時、一緒に笑いました。
普段から、
自分が何が好きなのか、
どうしたら楽しめるのか、
嫌な事があった時、
辛い事があった時、
その中で、どのように楽しみを見出すか、
どのように工夫して、
興味深く、面白くしていくか、
どうしたら、ラクな気持ちでいられるか、
しあわせか。。
「頭を使うというのは、そういう所に使ってはじめて、
‘使う’という事になるのよ。」
と繰り返し言っていました。
私は、普段から、そのような考えを持っているだろうか。。
工夫してるだろうか。。自問しました。
今回のミニコンサートの合間に、
「アキヨさん、私、生きちゃったのよ。」
と話しかけてきた先生。
不思議な感覚なのですが、
まだ共に生き残っているね。。
と、お互いの無事を確認したような一瞬でした。
そして、「アキヨさん、歌わないと!」
と言われ、いよいよきたか。。なんちゃって、
久しぶりに真摯で引き締まった気持ちになりました。
先生の歌声を聴けたという、
この大きな偶然に、深く感動、感謝いたしました。
一生忘れる事のできない、すばらしい大いなる一日でした。
読んでくださり、ありがとうございました。

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